コラム

塗料試験について

「塗料試験」はその名の通り、金属に塗料を塗り乾燥後のひび割れや塗料の馴染み具合などを調べる試験です。ひびから、金属のさびや劣化などが起きないよう、塗料がすぐに剥がれ落ちることがないかのチェックとなります。金属の性質というより、塗料の性質を確かめる試験になっています。

こちらもJISによって規格が定められていますが、衝撃試験や曲げ試験などよりも、より詳細に書かれています。試験片となる金属もたくさんの種類が存在しますが、試験片に使用する塗料も数多くあります。見栄えをよく魅せるように色づけのために塗るのもあれば、防錆目的であったり、下塗り用であったり塗料の使用用途も様々です。JISには、その塗料に関しても塗料の状態管理や塗り方や塗るための器具、塗った後の乾燥の仕方、塗料を塗る場所の条件なども記されています。
また、塗料の種類によって試験片の規格を変えていますので、試験片も塗料に合わせたものが必要になってきます。塗料試験の場合、試験片は試験対象となる塗料を金属に塗ったものが試験片となります。定められた方法で塗料を金属に塗り、定められた方法で乾燥させる必要があります。試験片や塗料によって乾燥に時間がかかったりすることもありますので、衝撃試験などよりは結果がでるまでに時間のかかる試験となります。

また、試験片とする素材が違えばその試験片の規格も変わってきます。金属だけでなく、セメント類も試験片となりえますのでその場合の規格は違うものになっています。塗料ごとに規格に沿った試験片を用意しなければなりませんから、場合によってはかなりの数の試験片が必要になってきます。

安全に製品を出荷できるようにするためには、必ず通過しなければならない試験ですから、正確な試験結果がでる試験片を用意することが第一になります。既製の試験片より、塗料ごとに新しく試験片を作り塗料試験を行ったほうがより確かな結果が出るでしょう。なので、新しい試験片を準備することをおススメします。