コラム

金属材料曲げ試験片について

「金属材料曲げ試験片」とは、金属の強度や耐性を測る曲げ試験で使用する試験片です。
曲げ試験は金属をただ曲げるだけの試験ですが、曲げることにより金属に発生するかもしれない亀裂やひびなどの有無を確かめる重要な試験です。基本的に曲げても前述のような状態が見られなければ合格とみなされ、出荷することが出来ます。また、例え試験の結果亀裂などの状態が見受けられた場合でも、金属の改良につながり、より安心安全な金属製造につながるのでなくてはならない試験といえます。

試験方法としては、上から試験片に負荷をかけて曲げていく押し曲げ法やV字ブロックの上に試験片を載せ、その中心に負荷をかけていくVブロック法などがあります。他、3点曲げや4点曲げなど、複数箇所を同時に曲げる試験もあります。どの金属も同じ条件での試験を行うことが求められるため、JISによって試験片の形は定められています。試験片の規格はJISZ2248の金属材料曲げ試験の行い方など詳細に記した文章内で確認できます。試験機など、負荷のかけ方や速度なども細かく記されています。もちろん試験に使用する金属の厚さや寸法によって曲げ試験自体の条件なども変わってきます。ちなみに1号試験片は厚さ3ミリ以上の金属片の曲げ試験を行う時の規格、2号試験片は棒状の金属、非鉄の棒状金属の曲げ試験に行う時の規格、3号試験片は厚さが3ミリに満たない金属の曲げ試験に用いる試験片の規格が記されています。

試験片は曲げ試験が行いやすい様、基本はどれも短冊状の形をしています。規格に準じた金属片を作ることも、金属を安心して製品材料として用いるための必要な試験をクリアするためには重要なことです。硬い金属を曲げて使用する製品などは周りに溢れています。

材料として金属はとても優れていますが、安全面を怠れば製品自体も一気に危険な物へと変わってしまいます。優良な金属を安心して使うため、試験片を使用した試験は絶対必要なものなのです。