コラム

疲労応力について

疲労応力とは疲労の定義の一つで材料に負荷する応力が一定ではなく継続的に受けることによって引き起こされる破壊で、そのような疲労応力を発生させる荷重を疲労荷重(fatigue loading)または動荷重(dynamic loading)と呼び、外的な荷重が加わらなくても繰り返しの疲労応力は発生することがあり、仮に部材に温度変化が生まれる場合は熱応力による疲労破壊が発生する可能性もあって、疲労を引き起こす応力の中で応力振幅、平均応力が一定の周期的な応力を繰返し応力(repeated stress)、繰返し応力を引き起こす荷重を繰返し荷重と呼び、疲労の試験としては繰返し応力を正弦波の応力波形を与えて材料の疲労特性を試すことが多く、応力振幅、平均応力が不規則に時間的に変化するような応力を変動応力(fluctuating stress)、変動応力を引き起こす荷重を変動荷重と呼び、実際に構造物が受ける応力を実働応力(service stress)と言い、この応力を精度よく知ることが疲労対策において大切であり、材料がどれくらいの繰り返し応力に耐えられてどれくらいの回数を与えるとどれくらいの応力で破断するのかを表すのに用いられるS-N曲線では、疲労試験装置に試験片を取り付け、破断するまで繰り返し応力を加えて行くことで材料のS-N曲線値が求められ、鉄鋼材料では   回の繰返しでも破壊しない応力が疲労限度とされており、S-N線図において   回以上の高寿命側は高サイクル疲労と呼ばれその疲労強度は材料の強度に比例して大きくなり、部分的に材料の降伏点に近いひずみが発生するような場合は材料に一定ひずみを繰返し与えた場合に亀裂発生繰返し数Ni、あるいは破断繰返し数Nfをプロットしたε-N(ひずみ-繰返し数)を求め、ひずみ量が大きく材料の降伏点前後であることから破断寿命が短いので低サイクル疲労と呼ばれています。