コラム

銅と銅合金の特性について

実用化された歴史が紀元前400年にエジプト古墳から出土したほど古くから使われていた非鉄金属材料の一つである銅は今や産業や生活に不可欠な材料となり、現在使われている銅や銅合金の持つ本来の性質は昔と大差はなく鉄には無い特性が銅にはあり、最も長けている点は加工性の良さと導電性、更には熱電精に優れていることで銀に次ぐ高い導電性と熱伝導性を持っており電気部品、電動機や配線、基盤など多様に使われていて、加工性の良さでいえば圧延や押し出し等の塑性加工が容易で、展延性に優れた金属の代表で切削の仕上げ面が美しく色が豊富である、熱間鍛造性にも優れるので複雑な製品加工に向き、ばね特性も良く、ベリリウム銅やりん青銅などの疲労強度が高い銅合金が活用されており、鉄鋼材料とは違って極低温の環境におかれても組織が破壊することがないことから低温脆性に優れており、また耐食性においても優れ、一般的には200℃以下での使用、さらに耐熱性に優れたものでも最高使用温度は250℃~300℃程度となりますが一部ではキュプロニッケルのような400℃以上でも使用される銅合金もあります。

多くの種類からなる銅は純銅、黄銅、青銅、白銅、洋白、キュプロニッケル、ベリリウム銅などがあり、純銅(無酸素銅、タフピッチ銅、脱酸銅の3種類で、これらの違いは含有する酸素量の違いにあり、銅純度99.9%以上で導電性や熱伝導には特に優れているが強度の点では他の金属よりも劣る)以外では銅に亜鉛や鉛、錫、アルミ、ニッケルなどを単独、若しくは複数組み合わせてある銅合金があり、銅はその製法から伸銅品と鋳物で9割近くが伸銅品と言われていますが伸銅の中でも黄銅(真鍮)が最も多く使われる材料となっており純銅と黄銅で銅需要の殆どに至り、銅と銅合金の特徴として①電気伝導率が銀の次に高く、銀を100としたら97以上である、②熱伝導率が高く銀100に対し94、③耐蝕性が優れている、④伸延性、圧延性に優れているので線や条、板加工が容易、⑤融合性に富み、金、銀、亜鉛、錫、ニッケルなどと容易に融合して様々な合金をつくることなどが挙げられます。