コラム

純マグネシウムについて

軽いことが特性である純マグネシウムの比重は構造材料のAZ31が1.78、AZ91が1.82でアルミニウムの2/3、チタンの1/3、鉄の1/4にあたり、放熱特性として純マグネシウムの熱伝導率は150W/(m・K)ととても高く機器内部で発生した熱を効率的に外部へ放熱することができるものの、そのままでは耐食性に劣る(さびやすい、腐食しやすい)ため、金属の種類に問わず純金属が構造材料として使用されることは特殊な場合を除いて殆どなく、純金属は耐食性に優れる、若しくは柔軟である等のメリットはあるが機械的性質が構造材料に適さないのでこの打開策として純金属に各種の金属元素を添加して合金化を図り、純マグネシウムも金属元素を添加して合金化することによって多方面での用途に適した構造材になり、その方向として純マグネシウムの性質を改善して構造材に適するマグネシウム合金に添加される金属元素はいくつかありますが最も一般的な元素はアルミニウム(AL)、亜鉛(Zn)、マンガン(Mn)、ジルコニウム(Zr)です。

限られたエネルギーを有効活用するべく構造材料の軽量化やリサイクルが求められている昨今において、実用金属中最も軽量なマグネシウム(Mg)は振動吸収性、電磁波遮断性、寸法安定性等の性質があり、資源的にも豊富であるが故、マグネシウム合金は輸送機器、家電製品、精密機器など多用されているもののマグネシウム合金はリサイクルや資源エネルギー等の観点からいえば環境に対する負荷が大きく、それを軽減する際に純マグネシウムを利用することが有効なものの、強度の点で劣ることから構造材料として輸送機器などには適しませんが、純マグネシウムや一部のマグネシウム合金は大きな減衰能性を持っているので一般の金属の中で高減衰能性をもつ鋳鉄よりも優れており振動がきてもそのエネルギーを熱として吸収し、消散させることから振動減衰性能の良さ、比強度の高さ、軽量の特徴を活かして音響製品にもなっています。