コラム

マグネシウム合金について

アルミニウム合金と共通する点も多いマグネシウム合金はマグネシウムを主成分とする合金でエレクトロン、ダウメタルとも呼ばれその特性として軽量化と切削性が良いので加工がしやすい等が挙げられ、鉄などの重い金属が利用されていた分野で部品をマグネシウムに変えることで実現できたことにより安全性の面で向上し、更にプラスチックと比べるとリサイクルしやすいことから省エネルギーにも貢献できていますがマグネシウム性質(異方性)により再結晶温度以下での成形(冷間加工)がほぼ不可能なため圧入鋳造成形(ダイカスト)、半溶解状態での射出成型(チクソモールディング)、鍛造とプレス加工を合せた成形(プレスフォージング法)等が用いられており、旋盤加工時等のマグネシウム合金の切屑は引火すると高温で燃えてしまい、また燃焼時に水で消火すると爆発してしまう危険性があるために一般的な消化器では鎮火できないデメリットを兼ね備えており、切粉を十分取り除いた後に密閉し、消火用の乾燥砂を準備する等、細心の注意を払う必要性はあるものの近年は不燃性のマグネシウム合金が開発されたのでこのデメリットが解消される可能性もあります。

他の金属よりも様々な優れた特性があり、純マグネシウムの比重でいえば実用金属中最も低く軽いとされている、強度/比重でいえば比強度が金属の中で最大、減衰能は純Mg、及びM1は特に優れており、電磁波シールド性においては30~200MHzの帯域で90~100dBと安定したシールド効果を発揮し、加工硬化率が高いので物体が衝突された際に生じるくぼみは小さくて済むこと、切削抵抗が小さいので機械加工時間を短縮することで動力を節約し、工具の寿命を向上させる役目もある、リサイクル性が高い点でいえばマグネシウムの再生に要するエネルギーは初期材料製造時の5%程度にとどまるので環境規制強化にとても適しており、比熱が小さいので加熱されやすくて冷めやすい性質と寸法安定性にも優れているので仮に150℃で100時間加熱したとしても変化量は6×〖10〗^(-6)で済みます。