亜鉛を主体金属とする合金の総称を亜鉛合金といい、古くから用いられている合金の一つで高い鋳造性や良好な機械的性質をもっておりアルミ合金に次ぐ多用される材料で、亜鉛-アルミニウム(Zn-AI)系合金が最も重要となりダイカスト用に利用されることが多くこれをザマックと呼ばれ、亜鉛に約4%のアルミニウムAIと少量の銅Cu、微量のマグネシウムMgを添加したものでJIS規格されているダイカスト用の亜鉛合金記号としてZDC1とZDC2もこの系統の合金でAIは合金の強さを増して湯流れをよくするとともにダイス等の鋼でつくられているダイカスト設備が溶湯により浸食されるのを減らす役割もあり、ZDC1とZDC2はそれぞれASTM規格ではAC41A、AG40Aとなり、他にもZamak2、Zamak3、Zamak4、Zamak5、Zamak6といったザマック金属も亜鉛合金として多用され、特性として耐衝撃性に優れており、寸法精度を出しやすくて衝撃にも強く、更に振動を吸収する性能を持ち合わせていることや減衰能に長けているために精密機器や携帯機器の部品、筺体、自動車のモール、時計のケース、ドアレバーなどのめっき部品、塗装部品などに利用され、そのめっき性にも優れ、また光沢のついた電気めっきも可能なことからカラフルな光沢が必要な場合も身近に利用されており、材料の薄肉についても亜鉛合金は強くて複雑な形状を鋳造により作ることも可能なので精密部品にも向いていますが、耐食性には若干劣りもともとの材料に含まれる不純物の量が規格値を超えてしまうと経年劣化とともに粒間腐食なども引き起こすことがあります。
日本で使われている亜鉛合金の90%以上がZDC2となりますがこれとZDC1の大きな違いは成分上の銅の量にあり、これにより機械的強度、特に硬度と引張強さに違いが出てきますが銅の量が多すぎると経年劣化が激しくなるので年月に応じて機械的な強度の低下と寸法も変化してしまう難点があり、こうしたことから銅の含有量が少ないZDC2(AG40A、ザマック3)のほうが日本では多用されています。