材料の変形挙動の種類によって様々な指標に使い分けられる強度の一つとして破壊エネルギー(靱性)があり、これは材料が破断するまでに加えられる総エネルギーのことで、破壊エネルギーが大きい材料を靱い(ねばい)と表現し、このエネルギー論を応力と関連づけているのが破損した材料の屍を築く領域や永久に持続できないものを光学的に管理する分野においては破壊力学的な考えも必要で強度と靱性のバランスがあり、そこが最も強度が高いということになり、試験片が破壊するまでに試験片によって吸収されるエネルギーでこれは試験開始時から破断点までの間の荷重〜たわみ線図で囲まれる面積のことを言い、比較的大きい靱性値をもつ金属や合成樹脂では衝撃試験(シャルピー衝撃試験、アイゾット衝撃試験等)の数値で評価しますがあらかじめ衝撃による破壊の起点となる切り欠きをいれて破壊のしやすさを評価するのが両試験法で抗折力(曲げ)試験も靱性の評価試験とできる場合が多いとされています。
また切り欠きを入れたコンクリートの3点曲げ試験によるコンクリートの破壊エネルギーGFの評価方法としてRILEMより提案されているGF=(Wφ + mg ・σφ )/Aにより供試体の自重の影響をなくすために行った切り欠け曲げ供試体の水平方向載荷試験を行ったところ、RILEMの試験方法に準じ鉛直方向載荷試験により求めた破壊エネルギーは供試体重量が大きい時は水平方向載荷試験の結果と差が大きいことがわかり、またセラミックスは優れた機械的特性を有するにも関わらず原子結合がイオン結合・共有結合という結合力に方向性がある、疎な原子配列となる上転位の構造が大きいことによりその活動が制限されているため破壊靱性については金属に比べるとかなり低く、セラミックスの高靱化機構では大まかに①破壊エネルギーを大きくすることにより本質的な破壊靱性を高める機構、②亀裂面の架橋により破壊靱性に付加的増分を与える機構、③亀裂の伝播方向を拘束することによりエネルギー解放率を低下させる方法とに分類されます。