コラム

金属材料衝撃試験片について

「金属材料衝撃試験片」と言葉だけ聞くと、なにやら専門的過ぎて難しそうに聞こえてえしまいます。衝撃試験というのは、金属の耐久性、脆さなどを調べるために行う試験のことです。硬くそう簡単には壊れないイメージが一般的にある金属とはいえ、この試験を行うことでよりその金属の性質把握や改良などに繋げていけるので、重要な試験と言えます。衝撃試験はその名の通り金属に衝撃を与え、金属の損壊度などを調べます。あとで詳しく触れてみます。

試験片とは、衝撃試験用に切り出し、試験用に形を加工した金属片のことです。弊社では金属を試験用の試験片に加工するという事を行っているのです。この試験片、どんな形でもいいという訳ではないんです。しっかりとJIS(日本工業規格)という工業に関する国家標準にしっかりと定められています。試験片には1~5号までの種類があります。衝撃試験の仕方も一つではありません。それぞれの衝撃試験に合わせた規定の試験片が必要なので、5つの種類があるのです。続いてその衝撃試験について少しお話します。衝撃試験としては、シャルピー衝撃試験とアイゾット衝撃試験があります。シャルピー衝撃試験は試験片を破壊するのに要したエネルギーと試験片の脆さを調べる試験です。高速で試験片に衝撃を与えて調べていきます。シャルピーとは試験を考案した人の名前です。アイゾット衝撃試験は試験片の衝撃に対する強さを調べる試験です。振り子ハンマーを用いて調べていきます。この二つの試験を行う試験機にも規格が定められており、JISに規格が載っています。どのような試験機なのか興味を持たれた方はJISのホームページなどで確認してみてください。

金属材料衝撃試験片について軽くですが、触れてみました。なんとなくお分かり頂けたでしょうか。金属を様々な用途で実際に使用するために必要な検証試験。そのために切り出し規格加工された金属片。とても重要な役割を持つものなのです。