コラム

摩耗試験とは

摩耗試験とは材料に対する耐摩耗性をはかる試験の事で潤滑油を用いる、乾燥状態にするなど実際の利用状況に近い条件で行われ、試材の重量変化を測定し、摩耗が生じるものに対して有効で過酷な環境、条件の中でどの程度耐えられるか、長期に渡って使うことができるかを調べるための試験です。
例えばゴム、プラスチック製品、塗装やめっきを施された製品に対して摩耗、または摩擦における耐摩耗性を調べる必要があり、何れにおいても検査する材料の種類や意図によって試験機が異なりますが通常摩耗試験は一対の試験片を一定の荷重と速度で摺動させ、このときの摩擦力を計測し、更に所定距離摺動後の摩耗量を測定することによって値を求め、試験片の重量変化から体積を求める方法と直接的に形状変化を計測する方法があり、重量変化は全体の摩耗量を測定しやすいというメリットがありますが一般的な電子天秤の分解能では10g程度の試験片に対してμg以下の変化を計測することが難しいので耐摩耗性に優れる材料の評価をし難い点がありますが、一方油潤滑下においての摩耗試験となると摩耗しているのに試験前よりも質量が増す現象もみられその原因として潤滑油が試験片ににじみ込んでしまう事もあるのですが明らかに判断しやすいわけではなく、その状況を見逃すケースもあるので注意が必要となってきます。

触針方式面粗さ計で摩耗痕深さや断面積を計測し、そこから全体の体積を概算し、ボール試験片は摩耗痕経から摩耗量を求めるのが一般的で試験片形状とすべり形態により様々な組み合わせが可能となり、ピンオンディスク式・ボールオンディスク式、ボールオンディスク式、スラストシリンダー式、ブロックオンリング式、四球式(曽田式あるいはシェル式)、ピン・ブロック式が挙げられ、回転しゅう動させるものや往復しゅう動させるものなど色々な試験機があり、回転しゅう動式で代表的なのがピンオンディスク型で主に無潤滑で試験を行い、潤滑油の性能を調べるのは主に曽田式四球やファレックス式などの試験機が用いられます。