亜鉛メッキの暴露試験が行われる暴露試験場については、大気暴露試験方法通則にその条件が定められています。その条件は、その地域の気候の影響を全面的に受ける場所であること、近くに建築物や草木、河川、湖、丘陵、凹地などの試験結果に影響を及ぼすような地形的特徴がある場所は避けること、定期的に試料を観察できて試験結果に必要な環境因子の測定ができる場所であること、水はけのよい地面や芝地、砂利、コンクリート舗装された場所などであること、草木が茂っていると温度や湿度に影響を与えるので、周りの草木の高さは0.2m以下にすること、除草剤などを使用する場合は薬品が試料に飛来しないようにすること、とされています。
暴露試験の結果はその試験が行われる暴露試験場の環境に大きく影響されます。暴露試験に影響を及ぼすものとしてはその気象条件や大気汚染の状況があります。そのため、試験の際には気象の特徴によって区分された気候区分と、硫黄酸化物などの汚染状況によって区分された大気汚染区分によりその試験場が定められます。また、資材が金属材料の場合は海塩粒子による影響を調査する海塩区分も設定されます。 気候区分としては、熱帯多雨気候、乾燥気候、温帯気候、多湿亜寒帯気候、高温気候、極地気候があります。
大気汚染区分は、工業地域(生産活動に伴って大気汚染物質を発生する地域)、都市地域(商業および生活活動に伴って大気汚染物質を発生する地域)、田園地域(大気汚染物質の影響が少ない地域)、酸性雨地域(直接酸性雨の原因物質の発生源ではないが、酸性雨物質の飛来による影響が大きい地域)、火山・温泉(火山性物質や温泉からのガスの影響を大きく受ける地域)に分けられます。
海塩区分は、海上、海浜(海岸線から300m以内、海塩粒子の影響が最も厳しい地域)、沿岸(海岸線から300m~2km以内、海塩粒子の影響が比較的大きい地域)、準沿岸(海岸線から2km~20km以内海塩粒子の影響が比較的小さい地域)、内陸(海岸線から20km以上、海塩粒子の影響が無視できる地域)とされています。