コラム

暴露試験方法の種類

亜鉛メッキを施されたものの腐食速度や耐食年数を知るために暴露試験が行われます。腐食速度や耐食年数は日光や気温、風雨、大気汚染物質など、様々なものの影響で変化します。特定の製品の特定の場所での腐食速度や耐食年数を知るためには実際にその場所で暴露試験を行いその結果を待つのが確実ですが、できるだけ実際に近い形で試験を行い様々な条件下での耐用年数を調べるために、暴露試験の方法が定められています。この試験方法を定めた通則を「大気暴露試験方法通則(JIS Z 2381)」といいます。そこでは定義、暴露試験方法、暴露試験場、試料、暴露試験期間など様々な項目が定められています。

大気暴露試験方法通則には五種類の暴露試験の方法が定められています。直接暴露試験方法、アンダーグラス暴露試験方法、遮へい暴露試験方法、ブラックボックス暴露試験方法、太陽追跡集光暴露試験です。

直接暴露試験方法は、試験の対象となる試料を大気環境に直接暴露してその影響を調べるもので、最も一般的に行われている方法です。

アンダーグラス暴露試験方法は、試料を上面を板ガラスで覆った試験箱の中に取り付けて雨や雪などの影響を防ぎ、太陽放射光による変化を調べる方法です。アンダーグラス暴露試験方法には、温度管理などの違いから「自然通風型」「強制通風型」「密閉型」の三種類があります。

遮へい暴露試験方法は、外部からさえぎる構造のものの中、または屋内に試料を設置して、その全体日光や風雨などに直接さらされるようにした方法です。この方法には「自然通風型」「通風制御型」「密閉型」の三種類があり、自然通風型と通風制御型は高架下や建物の北側、軒下などを、密閉型は室内を想定したものです。

ブラックボックス暴露試験方法は、内側と外側すべてを黒くした底のある試験箱の上面に試料を設置する方法です。これは温度の上昇によってどのような影響があるかを調べるもので、太陽光で高熱になる建物の屋根や自動車部品などへの影響を調べることができます。

太陽追跡集光暴露試験方法は、太陽の光軸方向を垂直に追跡し反射鏡で太陽光を集めて、その光が集まるところに試料を設置するものです。この試験方法の理想的な実施条件は乾燥していて天気がよく年間3,500時間以上の日照時間があり、年間の日中平均相対湿度が30%以下だとされています。

以上五種類が暴露試験の種類として定められています。