この規格は前処理・温度・湿度が定められた上で、標準試験片を用いたプラスチックの引張クレープの試験方法について規定されています。 対象は非強化の硬質プラスチック・半硬質プラスチック・充填剤入り繊維強化プラスチックで、ダンベル形へ成形された物や、板状もしくは成形品から主にフライス加工された物を使用します。 引張試験片は表面の調整・寸法精度・熱履歴・試験場所の環境の差でかなりの違いが起こる為、差異が起こらぬ様に制御しなければなりません。 設計目的で引張試験片を使用する場合は、応力・時間・環境の広い範囲で試験すると望ましいとされています。
この試験方法へ用いられる試験片形状は6種類あります。
1号形試験片
この試験片はクリープが比較的小さな材料に使用する事が多く、クリープひずみ測定やクリープ破壊測定に用います。
主な対象のプラスチックは熱硬化性樹脂積層板や硬質熱可塑性樹脂成形材料が適しております。
製作方法:成形材料の場合、関連規格や当事者間の取り決めによる成形条件を元に射出・圧縮成形して製作するか、板状に成形した後、フライス加工にて試験片として製作します。板厚はそのままで加工するのが主流です。板厚が10mmを超える場合は板の両面を切削し10mmまで落とします。
2号形試験片:この試験片はクリープひずみが大きい材料のクリープひずみ測定やクリープ破壊に用います。
主な対象のプラスチックはPP、硬質塩化ビニールの成形材料や押出しコンパウンドに適しております。
製作方法:基本的に1号と同じ製法になります。板厚は2mmが望ましいとされています。
3号試験片:この試験片はクリープ破壊試験のみに用いられます。主な対象のプラスチックは熱硬化性樹脂材料や充填材・強化材を含んだ熱硬化性樹脂材です。
製作方法:関連規格や当事者間の取り決めによる成形条件を元に射出・圧縮成形して製作します。
4号試験片:この試験片はクリープひずみ測定やクリープ破壊測定に用います。主な対象のプラスチックは熱硬化性プラスチックです。
製作方法:強化プラスチックに同等のプラスチックや接着材で補強した後、フライス加工で仕上げます。板厚は2mm~5mmが良いとされています。
5号試験片:この試験片はクリープひずみ測定やクリープ破壊測定に用います。主な対象のプラスチックは熱硬化性プラスチックの一方向強化材料です。
製作方法:4号試験片と同じ製法になります。
6号試験片:この試験片はクリープひずみ測定やクリープ破壊測定に用います。主な対象のプラスチックは強化プラスチックでチョップドストランドマットなどで強化された材料です。
製作方法:基本的には1号と同じですが、ダイヤモンドミルで仕上げるのが良いとされています。側面はペーパー掛けします。板厚は2mm~5mmになります。
樹脂・プラスチックの支給材からの引張クリープ試験片への加工は是非当社にお任せ下さい。