コラム

亜鉛メッキの用途

亜鉛メッキには優れた耐食性があります。鉄などに塗布された際に、薄い皮膜を形成して鉄がさびるのを防ぐ保護被膜作用があるため、水に強いという特徴があります。またメッキに傷などができても、亜鉛が陽イオンに変化して鉄を保護する犠牲防食作用という働きもあります。こういった優れた耐食性から亜鉛メッキは様々な用途に利用されています。

亜鉛メッキの代表的な用途としてはトタン板があります。トタン板は亜鉛メッキを施された鋼板で、主に建築資材として使われます。簡単な建物の屋根や外壁、雨どいなどによく使われていますし、加工してバケツやじょうろ、ちりとりなどにも使われます。現在多く使われる用途は自動車のボディ用の鋼板です。自動車にこの亜鉛メッキが使われるようになってさびることが少なくなり、長年の使用に耐えられるようになりました。その他、やはりその耐食性の良さから道路や土木、建築や農業の分野などでも幅広く使用されています。
例えば道路では、ガードレールや照明、防音壁、橋などに使われています。また、下水道、防護壁、フェンス、駐車場などにも見られます。鉄道の駅舎や車両庫にも使われますし、農業分野では温室や果樹園の棚などにも使われています。水に強いことからボード架台やウォータースライダーなど水場の施設にも使われています。長い耐用年数が期待できることから、メンテナンスの困難な場所や、メンテナンスのコストが高い場所に使用すると効果的です。

亜鉛メッキには溶融亜鉛メッキと電気亜鉛メッキがあります。溶融亜鉛メッキは亜鉛のよくの長に鉄板を浸して鉄板の表面に亜鉛を付着させます。電気亜鉛メッキは電気分解の容量で亜鉛イオンを金属原子に還元することで鉄板表面に付着させます。このため電気亜鉛メッキは溶融亜鉛メッキと比べて亜鉛の付着量を薄くでき、また正確にコントロールできるという長所があります。溶融亜鉛メッキでは製造が難しい特殊な鋼板や、溶融亜鉛をはじいてしまうような後半にも亜鉛を付着させることができます。自動車用にはメッキを施した鋼板でしか作れないようなものもありますが、電気亜鉛メッキを使えばそうしたものにも防食加工を施すことができるのです。