コラム

金属材料引張り試験片

「金属材料引張試験片」とは支給された材料を用いて降伏点や耐力、引張強さ、伸び等の機械的性質について試験可能な試験片テスト ピースを指します。金属素材の様々な用途により異なった形状に加工を行うのですが、その加工方法は「板状試験片」「棒状試験片」「菅状試験片」「円弧状試験片」「線状試験片」等があり、用途により異なっております。
分類もJISにて細かく設定されており、それぞれ「比例試験片」「定型試験片」に大きく分かれ、○号等の名称が付けられております。例えば、板状試験片の場合では、「比例試験片」に14B号という規格、「定型試験片」には1A号、1B号、5号、13A号、13B号という企画があり、各社がこの国際規格にそって試験を行う事で、安全かつ精度の高い試験を行う事が出来るようになっております。
機会の種類やちからの加えかたにも細かい規定があります。例えば、試験機では「引張試験に用いる試験機は,JIS B7721『引張・圧縮試験機-力計測系の校正・検証方法』による等級1級以上とする.」と明記されており、ちからの加え方としては「試験片の形状に適したつかみ装置を用い,試験片に軸方向の力だけが加わるようにする.」といった具合です。
なぜ、このの様な試験片が必要なのかという事ですが製品機械や構造物を合理的に設計するにはその材料が持つ性質を詳しく知らなければ行う事が出来ません。そのため、素材をインゴットの状態から、使用用途に近い形状に加工を行い、引張試験を行う事で、精度の高い作成が可能になります。JISやASTM規格等の規格にも当然適用させながら専用の機械や熟練の職人の技術により高精度な試験片を作成致しなければなりません。
万が一誤差等が生じた場合は、強度を見誤まる事になり、製品の破損や損壊等に繋がってしまいます。そのような事にならぬよう、最新の注意を払い、試験片テストピースの加工を行い、事前に素材の性質等を調べているのです。