「湿潤試験機」は高湿度に調整した恒温装置内に試験片を入れて湿潤状態に保ち、塗膜・さび止め油・めっきなどの金属表面処理や色材などの腐食・さび・劣化などの状態を調べる試験機です。この試験で使われる試験片を「湿潤試験片」といいます。
「湿潤試験片」の作製は湿潤試験方法によって異なります。例えば、「フロック加工生地試験」で使用される「湿潤試験片」は試験片を水中に15分間浸せきした後、水がしたたり落ちない程度のぬれた状態にします。 なお、湿潤状態の測定中には、500 回ごとに約 2 mL の水を試験片又は綿布の表面に滴下して、絶えず湿潤状態に保ちます。
また、「平板試験片に浸入した環境液の除去試験」で使用される「湿潤試験片」は一定時間ごとに試験片を環境液中から取り出し、不飽和ポリエステル樹脂については表面のメタノールを拭ってから、アミン硬化系エポキシ樹脂については一旦イオン交換水ですすいだ後表面を拭ってから、これらをろ紙に上に並べて室温で1時間放置したものです。
「塩水噴霧試験機」は試験槽内に試験片を置いて塩化ナトリウム水溶液を霧状にして吹き込み、金属及び表面処理の耐食性を評価する、最も基本的な試験機です。この試験で使われる試験片を「塩水噴霧試験片」といいます。
「塩水噴霧試験片」の制作は塩水噴霧試験方法によって異なります。例えば、「溶接部耐食性に優れた構造用ステンレス鋼の腐食試験」で使用される「塩水噴霧試験片」は、作成した突合せ溶接部から長さ80 mm・幅60 mm の大きさの腐食試験片を各3 体/ 鋼種ずつ切り出して、焼鈍時のスケールの影響を除去するため裏面側に幅60 mm のテープを貼った試験片を用います。
「塩乾湿複合サイクル試験機」は中性塩水噴霧試験、塩水噴霧乾燥湿潤を組み合わせた複合サイクル試験機です。製品、表面処理材の塩水噴霧試験・乾燥試験・湿潤試験およびそれらのサイクル試験による耐食性評価を調べる試験機となります。