粘着テープは、比較的弱い圧力で瞬時に圧着でき、はく離も容易にできる基本的特性をもち、取り扱いも簡便であることから、種々の分野で使用されています。半導体、ディスプレイ、 光学機器、医療、自動車、情報関連など高機能化が進む分野で、粘着剤のさまざまな機能が生産プロセスからデバイスの内部にまで活用されています。
そのために大切になってくるのは「粘着力」です。はく離試験はその「粘着力」を数値的に捉える主要な試験です。粘着テープのはく離強度測定法としては、180°はく離試験法および90°はく離試験法が試験・評価の主流となっています。
そこで使用されるのが「90°はく離試験片」です。180°はく離は粘着テープの厚さや弾性率の影響を受けますが、90°はく離は支持体の影響が小さく粘着力や接着力のみの評価に適していると考えられます。90°はく離強さの求め方は、90°に曲げにくいほど硬い加硫ゴム及び熱可塑性ゴムには不適当です。
「はく離試験片」にははく離試験によっていくつか種類があります(下記参照。なお、下記の種類が全てではありません。)。
「接着剤のはく離接着強さ試験方法」→接着面の端部から接着面と平行な方向及び90°の方向に荷重をかけ、接着面の引き裂かれた時の荷重を求める試験です。サイズは接着面と平行なはく離(180°はく離試験片)は150×175及び150×125。接着面に90°の方向のはく離(90°はく離試験片又はT型はく離試験片)は、たわみ性材料では150×150、剛性材料では150×300です。
この試験方法に関わらず、他には「下地材90°はく離接着強さ用試験片」→使用する試験片は酢酸ビニル樹脂系、ビニル共重合樹脂系等の場合フレキシブル板で、エポキシ樹脂系、ウレタン樹脂系の場合モルタルです。
「床材90°はく離接着強さ用試験片」→使用する試験片はビニル床タイル、ビニル床シート、リノリウム系床材、ゴム系床材、タイルカーペットです。