コラム

標準試験片とは

圧延(金属の加工方法の一つ。2つあるいは複数のロール(ローラー)を回転させ、その間に金属を通すことによって板・棒・管などの形状に加工する方法)、鋳造(金属を加熱して溶融し、これを目的の形をもたせた鋳型に流し込み、冷却、凝固させて製品をつくる方法)又は鍛造(金属加工の一種で、金型工具を介して素材材料に圧縮荷重を加え、素材の高さ(または直径もしくは厚さ)を縮め、圧縮と直角の方向に伸ばすことによって所定の形状寸法の品物に成形する作業)された鋼及び鋼製品の試験に関する主な用語として、鉄鋼用語(試験)において「非破壊試験(機械部品や構造物の有害なきずを、対象を破壊することなく検出する技術)」のうちの「磁粉探傷試験(材料の非破壊検査法の一種で、強磁性体の材料のみ検査が可能で、材料表面の開口欠陥と表面直下の欠陥を探し出すことができる)」に分類されている用語には、「標準試験片(磁粉探傷試験の)」、「対比試験片(磁粉探傷試験の)」、「磁化電流」、「乾式法」、「湿式法」、「連続法」などの用語が定義されています。その中で、「標準試験片(磁粉探傷試験の)」は、規定された材質・形状及び寸法を有する試験片で、探傷器(材料内部の欠陥を探知する装置)の性能試験又は感度調整などに使用します。

標準試験片にはいくつか種類があります(下記参照。なお、下記の種類が全てではありません。)

「G形標準試験片(極厚板、条鋼及び鍛造品)」→主に探傷感度の調整、垂直探触子の特性の測定、探傷器の総合性能の測定に使用されます。

「N1形標準試験片(厚板)」→主に探傷感度の調整に使用されます。

「A1形標準試験片(溶接部及び管)」→主に斜角探触子の特性の測定、斜角探触子の入射点及び屈折角の測定、測定範囲の調整、探傷感度の調整に使用されます。

「A2形系標準試験片(溶接部及び管)」→主に探傷感度の調整、探傷器の総合性能の測定に使用されます。