コラム

対比試験片とは

圧延(金属の加工方法の一つ。
2つあるいは複数のロール(ローラー)を回転させ、その間に金属を通すことによって板・棒・管などの形状に加工する方法)、鋳造(金属を加熱して溶融し、これを目的の形をもたせた鋳型に流し込み、冷却、凝固させて製品をつくる方法)又は鍛造(金属加工の一種で、金型工具を介して素材材料に圧縮荷重を加え、素材の高さ(または直径もしくは厚さ)を縮め、圧縮と直角の方向に伸ばすことによって所定の形状寸法の品物に成形する作業)された鋼及び鋼製品の試験に関する主な用語として、鉄鋼用語(試験)において「非破壊試験(機械部品や構造物の有害なきずを、対象を破壊することなく検出する技術)」のうちの「磁粉探傷試験(材料の非破壊検査法の一種で、強磁性体の材料のみ検査が可能で、材料表面の開口欠陥と表面直下の欠陥を探し出すことができる)」に分類されている用語には、「標準試験片(磁粉探傷試験の)」、「対比試験片(磁粉探傷試験の)」、「磁化電流」、「乾式法」、「湿式法」、「連続法」などの用語が定義されています。

その中で、「対比試験片(磁粉探傷試験の)」は、装置、磁粉、検査液の性能を調べるために製作される試験片で、被覆した導体を貫通穴の中心に通し、連続法で円筒面に磁粉を適用して用います。対比試験片にはいくつか種類があります(下記参照。なお、下記の種類が全てではありません。)。

「タイプ1対比試験片(Ni-Crめっき割れ試験片)」→われ深さで10μm、20μm、30μm、50μmの4種類があります。主に蛍光浸透液や染色浸透液の感度レベルの決定に用いられます。

「タイプ2対比試験片(Ni-Crめっき割れ試験片)」→4種類の粗さ面と、5段階の大きさの異なるきずを持つ試験片で、主に工程管理に用いられます。

「タイプ3対比試験片(アルミ割れ試験片)」→A形対比試験片とも呼ばれ、中央の溝をはさんだ左右で探傷剤などの性能を評価するときに用いられます。