コラム

金属材料の強度を調べるには

金属材料の強度を調べる方法としては、「引張試験」や「圧縮試験」や「曲げ試験」や「せん断試験」や「硬さ試験」や「衝撃試験」や「疲労試験」などがあります。その中でも良く利用される試験が「引張試験」です。

「引張試験」によって金属材料の基礎的データとなる、静的強度試験による機械的性質のうち、「降伏応力(降伏点)又は耐力」や「引張強さ」や「伸び」や「絞り」などを調べることができます。特に規定のない限り、10~35℃の範囲の温室で行いますが、温室管理が必要な場合は23±5℃と決められています。
円形または長方形断面の平行部をもつ試験片に、軸方向の引張力による破断に至るまでのひずみを与えることによって、材料の機械的性質を決定します。

調べる試験片は、通常材料から採取した供試材を機械加工・部品、治具の製作するか、打抜き又は鋳込み(溶かした金属を鋳型に流し入れること)によって作製します。断面が一様な材料(形、棒、線など)及び鋳込みのままの試験片(鋳鉄及び非鉄金属)の場合は、機械加工・部品、治具の製作をしないで試験を行ってもよいとされています。身近な建設材料として使用される鉄筋コンクリート用棒鋼は、その材料規格により、「試験片は製品のままとし、機械仕上げを行ってはならない」と定められています。

引張試験をすると、横軸に伸びもしくはひずみ、縦軸に負荷荷重もしくは応力をプロットしたグラフが得られ、このグラフを応力―ひずみ線図といいます。強度が高いと疲労に強く、使用する材料が少なくてすむので、製品を軽くできますが塑性加工(材料に大きな力を加えて変形させることによって、目的とする形状に加工すること)しにくくなります。引張試験には、電気機械式(ネジ送り機構:変位制御)あるいは油圧サーボ式(油圧機構:荷重制御)による一軸荷重の試験装置が用いられます。これらは「引張試験」や「圧縮試験」や「曲げ試験」など多種の試験が可能であるため、万能試験機とも呼ばれています。