試験片とはある部品材料の性質を調べるために、その部品材料から切り取り、目的に応じた加工をされた「片」をさします。
新しい素材等をインゴット等の形で支給頂き、使用して材料の性能を把握したり評価をするのですが、その結果が素材がもつ性能の保障等にも使用されるので大変厳しいチェックの元に行わなければなりません。
JISやASTM規格など各種ある規定を満たす必要もあります。
これら試験片の加工方法も用途により様々です。主な支給材からの試験片加工としては「金属材料引張試験片」「金属材料衝撃試験片」「金属材料抗折試験片」「金属材料曲げ試験片」「エリクセン試験用」となります。
例えば、「金属材料引張試験片」には主に、「板状試験片」や「棒状試験片」「菅状試験片」「円弧状試験片」「線状試験片」等、試験材料の用途により必要な形状に加工を行い引張荷重を加える事で、応力、ひずみとを測定して弾性率,弾性限度や比例限度,降伏点,引張強さなどを求める事が出来ます。
また、「金属材料衝撃試験片」は「金属材料引張試験片」とは違い、VノッチやUノッチ加工された角柱状の金属に対し、切り欠きのある部分を反対方向からハンマー等で強い衝撃を加え、試験片を破壊する事で靭性を求めるために使用致します。
「金属材料抗折試験片」では、曲げに対する強度を調べるための試験片となります。材料にせん断力が作用せずに曲げモーメントのみが働く場合、曲げ作用を受けても、伸びたり縮みもしない面(中立面といいます)を境に曲げ円弧の軸側には圧縮力や外側には引っ張り力が働くのですが、この曲げの荷重によって試料が破断する時の最大応力を調べる時に使用致します。
その他にも様々な用途により加工を行っておりますが、皆さんの生活の中で使用している金属はこのような厳密な試験により安全性の確認を行った上で製品として利用されているのです。